マラソンランナーにとって、体幹トレーニングはフォーム安定と持久力向上に欠かせない要素です。しかし、「どれくらいの頻度で実践すればよいのか?」という疑問を抱く人も多いでしょう。この記事では、初心者から上級者までを対象に、2025年の最新知見を踏まえた体幹トレーニングの適切な頻度とトレーニング計画への組み込み方を詳しく解説します。
目次
マラソンのための体幹トレーニング頻度
マラソンにおいて体幹トレーニングは、走る姿勢やフォームを支える重要なメニューです。トレーニング頻度の目安としては、週2~3回程度が一般的です。ただし、体幹トレーニングは大腿筋や胸筋を鍛えるような高負荷トレーニングではなく、比較的短時間に複数回行っても疲労が溜まりにくいという特徴があります。したがって、毎日の軽い体幹トレーニングやランニング前後のルーティンに組み込む形であれば、週4~6回と高頻度で取り入れても問題ありません。
頻度を設定する際は、走行距離やインターバル練習など他のトレーニングとのバランスを考慮します。例えば、長距離走をメインにする日は、疲労を軽減するために体幹トレーニングは簡単なものに留めるか、軽めに抑えましょう。一方で、休養日やビルドアップ走の翌日など体への負担が少ない日は、体幹トレーニングをしっかり行うチャンスです。
また、トレーニングの時期によっても頻度の考え方は変わります。マラソンシーズンの基礎期(レースから遠い時期)には、体幹トレーニングを高頻度で取り入れて土台を強化するのが効果的です。逆にレース前の調整期になると走り込み量が増加するため、体幹トレーニングの頻度はやや減らして疲労を溜めないようにします。このように、トレーニング計画のフェーズに応じて体幹トレーニングの頻度を柔軟に調整することも大切です。
体幹トレーニング頻度の目安
一般的なマラソントレーニングでは、体幹トレーニングは週2~4回程度を目安とするケースが多いです。基礎体力やランニング頻度が少なめの初心者は週1~2回から始め、徐々に回数を増やしていきます。すでに週5~6回走っている人や上級者であれば、週3~4回と高めに設定すると良いでしょう。
一方、体幹トレーニングを「日常的に習慣にする」スタイルを取るなら、毎日短時間ずつ行うのもおすすめです。例えば、朝夕の両方に5分ずつプランクを行ったり、ランニング前に10分間の体幹ワークアウトをするなど、毎日コツコツ取り組むことで徐々に体幹が安定しやすくなります。
トレーニングスケジュールへの組み込み方
体幹トレーニングをスケジュールに組み込む際は、通常のランニングメニューと組み合わせて無理なく行いましょう。例えば、以下のような方法があります。
・ランニングのウォーミングアップやクールダウンに5~10分だけ体幹エクササイズを加える。
・ジョギングや交互に繋がるゆるい走りの日に、集中して体幹トレーニングを行う。
・完全休養日に短時間の体幹トレーニングを取り入れ、筋肉に負担を分散させる。
重要なのは、体幹トレーニングが疲労の大きな原因にならないよう調整することです。例えばハードな長距離走の後日にあえて激しい体幹トレーニングを入れると疲労が抜けにくくなることがあります。逆に、ランニングメニューが軽い日や休養日に1回きちんと行えば、体幹は十分に鍛えられます。
トレーニング時期別の考え方
マラソンに向けた練習計画では、体幹トレーニングの頻度を練習時期に応じて変えていくと効果的です。たとえばマラソンから数カ月前の基礎トレーニング期では、頻度を多めにして体幹の土台を養います。この時期は走り込みの強度が比較的低いため、体幹トレーニングを週3~5回取り入れてもオーバーワークになりにくいです。
一方、レースが近づいてきた追い込み期には、ランニングの質と量を高める必要があります。ここでは体幹トレーニングの日数を若干減らし(週2~3回程度)、回数や時間も短縮するなど調整して疲労を残さないようにします。基本的な体幹力の維持ができていれば、あとはコンディション優先で頻度を抑えても大きな影響はありません。
体幹トレーニングの効果とメリット
体幹トレーニングに取り組むことで得られる効果は多岐にわたります。特にマラソンのような長距離走では、体幹が強いとフォームを安定させやすく疲れにくい走りが可能になります。具体的なメリットを見ていきましょう。
ランニングフォームの安定
長時間走るとどうしても体が前のめりになりがちですが、体幹がしっかりしていると自然と背筋が伸びて上半身が安定します。これにより腰が高い理想的なフォームを維持でき、足の接地位置が後ろ重心になりやすくなります。結果として、脚への負担が軽減され、膝や腰などの痛みを予防しやすくなります。
怪我の予防
体幹を鍛えることで腰や腹部の筋肉が強化され、着地時の衝撃を吸収しやすくなります。弱い体幹だと、お尻が落ちたフォームになりやすく前方重心での接地となり、膝や太ももに負担がかかりやすくなります。しかし体幹が強いと重心位置が安定し、衝撃を腹筋や背筋、大臀筋など大きな筋肉で吸収できるので、膝や腰の痛みを抑えられます。これにより、捻挫や肉離れといったランニング障害のリスクも低減します。
パフォーマンス向上
強い体幹があると手足を動かす際のブレが少なくなり、エネルギーロスを抑えて効率的に走ることができます。例えば、下半身だけで走ろうとすると脚の筋肉が疲れやすくなり後半で失速しがちですが、体幹を意識して走れば上半身と下半身が連動して動きやすくなります。これにより少ない力で長時間走れるようになり、マラソン後半でも速度を維持しやすくなります。
初心者ランナー向け体幹トレーニング頻度
ランニングを始めたばかりの初心者は、まずは体に無理なく体幹トレーニングを習慣化することを目指しましょう。いきなり高頻度・高強度で始めるとフォームが崩れたり、疲労が蓄積してしまうことがあります。基本的な目安は以下の通りです。
週あたりの目安回数
初心者の場合、週1~2回からスタートするのがおすすめです。例えばジョギングを2日行う週なら、他の週1日を軽めの体幹トレーニングに充てます。慣れてきたら週3回程度に増やしてもよいですが、急に増やしすぎず、体の様子をみながら回数を徐々に伸ばします。
体幹トレーニングは短時間で行えるメニューが多いため、ランニング後に10~15分ほどのプランクやサイドブリッジを取り入れるだけでも十分効果があります。慣れていないうちは1セット20~30秒から始め、徐々にキープ時間とセット数を増やしていきましょう。
シンプルな体幹トレーニング例
初心者に適した体幹トレーニングメニューには、基本のプランク、サイドプランク、バックエクステンション(うつ伏せで上半身を上げる運動)などがあります。これらは胸や背中、腹筋など体幹周りの筋肉全体をバランスよく鍛えられる種目です。
例えば、以下のようなメニューを週1~2回行ってみましょう。
・プランク(30秒×2セット)
・サイドプランク左右各30秒×2セット
・バックエクステンション10~15回×2セット
これらの基本種目をメインに、慣れてきたら負荷を少しずつ増やしていきます。シンプルに継続することで、徐々に腹圧や背筋力がついてくるでしょう。
継続のポイント
初心者が最も注意したいのは、継続して習慣化することです。いくら正しい頻度を知っていても、続けなければ効果は得られません。仕事や家事で忙しい場合でも、1日に5分だけ体幹トレーニングの時間を作るといった小さな取り組みから始めましょう。スマホのタイマー機能を使って時間を区切るなど工夫すると続けやすいです。
また、フォームが崩れずに正しく鍛えることも大切です。急いで回数をこなすのではなく、ゆっくり丁寧に姿勢を保つことを意識してください。毎回のトレーニングでフォームのチェックをすることで、効果を最大限に引き出すことができます。
上級ランナー向け体幹トレーニング頻度
長年トレーニングを積んできた上級者ランナーは、体幹トレーニングにもバリエーションや強度を求めることができます。ここでは、上級者ならではの頻度設定や注意点について解説します。
レース前後の頻度調整
上級者の場合、年間を通じて練習計画が明確に組まれていることが多いです。大会前のシーズンオフには、走り込みと並行して高頻度(週4~5回程度)の体幹トレーニングで安定性を高めます。ただし、大会が近づいて疲労が溜まりやすい時期は頻度を減らし(週2~3回程度)、トレーニングの質を維持しながら休息日を増やすことが大切です。
レース当日にピークパフォーマンスを発揮するため、体幹トレーニングはレース3~4週間前までに集中して行い、直前はメンテナンス程度に留めます。このように、準備期と追い込み期で体幹トレーニングの頻度を賢く変えることで、稼働期には最大の効果を得ることが可能です。
高強度トレーニングとの併用
上級者はインターバル走や坂ダッシュなどの高強度トレーニングも頻繁に行います。こうしたメニューと体幹トレーニングを両立させるためには、体幹トレーニングのタイミングを工夫しましょう。例えば、高強度走の翌日は疲労回復を優先して軽めの体幹メニューにする、あるいはランニング前にコアを軽く刺激する程度に留めるといった方法があります。
また、上級者向けには動的な体幹トレーニングも有効です。トレイルランニングやトレッドミルで斜度を上げて走るなど、実際に動きながら体幹を使う練習も取り入れられます。この場合、頻度は週に2~4回程度を目安に、他のトレーニング負荷を見ながら調整します。
各レベル別の推奨頻度
以下の表は、ランナーのレベル別におすすめの体幹トレーニング頻度の目安をまとめたものです。週あたりの回数を参考に、自分の走行頻度や体力に合わせて組み立てましょう。
| ランナーのレベル | 推奨頻度 |
|---|---|
| 初心者 (週3回未満のランナー) | 週1〜2回 |
| 中級者 (週4〜5回のランナー) | 週2〜3回 |
| 上級者 (週6回前後のランナー) | 週3〜4回 |
目安を参考に、初心者には少なめからスタートし、慣れている人は多めに取り入れて体幹の基礎力を保ちます。自分の練習量や疲労度と相談しながら、最適な頻度を見つけてください。
まとめ
マラソンで高いパフォーマンスを発揮するには、体幹トレーニングの頻度が重要です。基本的には週2~3回を目安に、体調やトレーニング周期に合わせて柔軟に調整しましょう。体幹トレーニングは大きな負荷がかからないため、毎日のルーティンとして取り入れても効果的です。初心者は週1~2回からスタートし、徐々に負荷と回数を増やします。上級者はレース前後の計画に合わせて頻度を変え、高強度練習とのバランスを取りながら行いましょう。
適切な頻度で体幹を鍛えれば、フォームの安定や怪我予防につながり、長い距離を効率よく走れるようになります。継続すればしっかり結果が出るので、焦らずコツコツと理想の回数でトレーニングを継続しましょう。
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